行事 −本専攻に関連する行事についてお知らせします−

複雑系科学セミナー

本専攻では,専攻内で行われている様々な研究を互いに理解するため,複雑系科学セミナーを定期的に開催しています.学生,学内外か らの ご参加も歓迎します.また,セミナー終了後は簡単な懇親会も予定しています.

次回のセミナー


第12回

日時
2014年12月18日(木) 17:00〜
場所
情報科学研究科棟1F第1講義室(地図の42 番1階)
(終了後軽く懇親会を開きます.)
講師
笹原 和俊 (名古屋大学 大学院情報科学研究科・助教)
演題
「ツイート」の複雑系科学
要旨
本発表では、2種類のツイート、すなわち「鳥のさえずり」と「人のつぶやき」に関する研究を紹介します。鳥(鳴禽類)のさえずりは学習性の音声系列で、オス間競争やメスへの求愛に使われるコミュニケーション信号です。さえずりには言語と類似する文法構造があり、それが複雑な系列的信号の生成と密接に関係することを示します[1, 2]。一方、人のつぶやき(Twitterの投稿)は即時性・拡散性の高いソーシャル時代特有の情報行動です。ソーシャルメディアは「今・ここ・私」を超えたコミュニケーションを可能にし、人と情報を非自明な形で結びつけ、大規模な相互作用を促進します。具体例として、Twitterにおける集合現象の創発について紹介します[3, 4]。最後に、これらのツイートの研究は(単なる言葉遊びではなく)、コミュニケーションの進化の本質的理解に寄与しうることを示します。

参考文献:
[1] D. Lipkind, G. Marcus, D. Bemis, K. Sasahara, J. Nori, M. Takahasi,
K. Suzuki, O. Feher, P. Ravbar, K. Okanoya, and O. Tchernichovski (2013)
Stepwise Acquisition of Vocal Combinatorial Capacity in Songbirds and
Human Infants, Nature
[2] K. Sasahara, M. L. Cody, D. Cohen, and C. E. Taylor (2012)
Structural Design Principles of Complex Bird Songs: A Network-Based
Approach, PLoS ONE
[3] K. Sasahara (2014) Quantifying Collective Mood by Emoticon Networks,
Proceedings of the 2014 ACM Web Science Conference
[4] K. Sasahara, Y. Hirata, M. Toyoda, M. Kitsuregawa, and K. Aihara
(2013) Quantifying Collective Attention from Tweet Stream, PLoS ONE

これまでのセミナー

第11回

日時
2013年11月28日(木) 16:30〜
場所
情報科学研究科棟1F第1講義室(地図の42 番1階)
(終了後第二講義室で懇親会を開きます.)
講師
時田恵一郎 (名古屋大学大学院情報科学研究科教授)
演題
「複雑性・多様性論争」と最近の数理科学的研究
要旨
統計物理学は「同じものがたくさんある」ことで起る不思議を解き明かしてきた。一方、生物学の対象は「違うものがたくさんある(いる)」。そして、実は、社会や経済の問題、そして巨大で複雑なものの計測や制御の難しさは、異なるものがたくさんあり、それらの間の関係(相互作用)が多様で複雑であることに起因している。「複雑に相互作用するたくさんの違うもの」のプロトタイプとして生態系などの生物ネットワークについての最近の実証研究や理論研究を紹介する。特に、生態学における「複雑性・多様性」論争から始めて,あるものがどれくらいある(いる)かを示す、多種系の分布関数に関する理論研究につい
て解説する。


第10回

日時
2011年12月9日(金) 16:30〜
場所
情報科学研究科棟1F第1講義室(地図の42 番1階)
(終了後ささやかな懇親会を予定しています.)
講師
大岡昌博 (名古屋大学大学院情報科学研究科教授)
演題
ヒトとロボットの触覚
要旨
ヒトの触覚を調べてみると、神経や脳の働きを考慮しないと解釈できない現象がいくつかある。もちろん、それらは複雑系科 学とも密接に関連している。ヒトの触覚は、進化の中で環境に適する感覚として発展してきているために、環境のなかでもメカト ロ機器では得られない精度を有している。その仕組みを解明してロボットに活用すれば、ロボットの適用範囲も飛躍的に進むと期待される。このようにできれば理想的ではあるが、なかなかそのようにはできていない。私たちの研究室では、現状ではヒトとロボットの触覚の研究を別々に進めているところである。講演で は、ヒトとロボットの触覚に関する私たちの取り組みの現状につい ておもしろく感じていただけそうなテーマをいくつかビデオを多数まじえて紹介する予定である。また、福島の原子力災害に日本のロボットが投入できなかったこともに関連して、冒頭でここ20年間あまりのロボットの発達史についても触れたい。

第9回

日時
2011年11月21日(金) 16:30〜
場所
情報科学研究科棟1F第4講義室(地図の 42 番1階)
(終了後懇親会を行います)
講師
永峰康一郎 (名古屋大学大学院情報科学研究科准教授)

第8回

日時
2010年3月18日(金) 16:30〜
場所
情報科学研究科棟1F第1講義室(地図の 42 番1階)
(終了後ささやかな懇親会を予定しています.)
講師
太田元規 (名古屋大学大学院情報科学研究科教授)
演題
タンパク質の配列・構造・機能相関のバイオインフォマティクス
要旨
DNAの持つ生命情報は,タンパク質に翻訳されて発現する.タンパク質は配列に指定された固有の立体構造をとり,機能を 発揮する.この,配列・構 造・機能の関連性を解き明かすことは,構造バイオインフォマティクスの中心課題である.講演ではこの分野の課題や私たちがとりくんできた研究などを紹介するとともに,最近の成果として新しいホモロジーサーチ法について概説する.

第7回

日時
2008年6月17日(火) 16:30〜
場所
情報科学研究科棟1F第2講義室(地図の42 番1階)
(終了後第3講義室にてささやかな懇親会を予定しています)
講師
鈴木 将(COE「計算科学フロンティア」研究員)
演題
Ising型双極子相互作用系の熱力学と構造形成
要旨
さまざまな物質の我々が可視できるスケール(マクロ)での特性は、無論ミクロスケールで原子・分子がどのように相互作用 しあっているかを反映している。したがって分子構造や相互作用の複雑さにより物質に新たな性質が付与されることがしばしばある。たとえば熱力学的に、 高分子により構成される流体 は、気・液・個の三相よりはるかに多様な相を持ちうる。あるいは凝集によるパターン形成においても、雪の結晶は水分子の複雑 さのために環境によって多様なパターンを示す。このようなミクロレベルの相互作用とマクロな現象を理論的に関連付けるに際して、しばしばシミュレーション により分子を運動させる計算機実験は大きな役割を果たしている。
 今回は、その一例として「Ising型双極子粒子系」と呼ばれ 、種類の粒子の混在により複雑さ生じているモデルのシミュレーション結果を紹介する。その結果のひとつとして、クラスター凝集とよばれる過程を通して現れるパターンが、熱揺動の強さに依存して、雪の結晶のごとくその構造を変える様子を示しつつ、その要因を考察する。もう一つのテーマとしてこの系がどのような熱力学相を示すかについても述べる。

第6回

日時
2007年9月14日(金) 16:00 - 17:00
場所
情報科学研究科棟第2講義室(地図の42 番1階)
※セミナー後懇親会を開催します.
講師
出川智啓氏 (情報可視化論講座 D3)
演題
Lagrange型解法による気液二相流の数値シミュレーション
要旨
気液二相流とは,気体と液体が混在して相互作用を及ぼし合いながら流れる複雑な流れであり,多くの工業装置や自然現象で 見受けられる.その解析や予測を目的として,様々な数値解法が提案されている.解法のすべては,解析領域を計算格子に分割して支配方 程式を解く,Euler型解法 である.講演者らは,最近,流れを渦要素で離散的に表現し,個々の渦要素の挙動を追跡して流れをシミュレーションする Lagrange型解法を開発した.本解法は,流れのミクロな素過程を渦要素の挙動としてモデル化し,そのメゾスケール解析に基づいてマクロな二相流の流動を求 めるものであり,従来のEuler解法とは原理を異にする.すなわち,素過程の挙動を解析することにより,全体の現象(振る舞い)をシミュレーションする,創発論的アイディアに 基づく解法である.解法の特徴と利点を説明するとともに,解析例を紹介する.

第5回

日時
2006年6月28日(水) 17:00 - 18:00
場所
情報科学研究科棟第1講義室(地図の42 番1階)
(懇親会会場:情報科学研究科棟第2講義室)
講師
鈴木泰博 助教授(複雑系計算論講座)
演題
複雑相互作用の科学〜酵母のタンパク質相互作用ネットワークの性質を中心として
要旨
例えば、パンや醤油を作るときお世話になっている“酵母”。この生き物を形づくっているタンパク質の相互作用のネット ワークは、 社会ネットワークとよく似ています。また、細胞内での情報のやりとりは(シグナル伝達系)、生態系での“匂い(情報化学物質)”をつかった植物、昆虫間の 情報のやりとりとよく似ています。それらはあたかも、同じシステムを“拡大ー縮小”したかのようで、何らかの原理が潜んでいることをうかがわせますが、そ の原理は未だわかっていません。私の研究ミッションはこうした複雑な系をかたちづくる統一的な原理を明らかにすることです。 本セミナーでは出芽酵母のタンパク相互作用ネットワークの数理的な特長とその生物学的な意味づけを中心に、我々が行っている研究をご紹介したいと思います。そして、複雑相互作用系に示 唆され我々が目指している将来への新たなミッション“最適化から最「豊か」化へ“について、まだ研究の端緒にもついていないナイーブなものですが、問題を喚起できればと思います。

第4回

日時
2006年3月10日(金) 17:00 - 18:00
場所
情報科学研究科棟第3講義室(地図の42 番1階)
(懇親会会場:情報科学研究科棟第4講義室)
講師
広木詔三 教授(創発システム論講座)
演題
生物の多様性と複雑系 -複雑系としての森林群集-
要旨
複雑系とはシステムを構成する要素間が情報を介して相互作用し、自己組織化する現象や対象を指します。自己組織化の現象 は、とくに生命・生物で主要な働きをすることが知られています。生物の多様性の中で、遺伝子と脳という情報に関わる特性が基本的な重 要性を有しているわけですが、 さらに生態系はそれらすべてのものを包含しています。森林は、その一構成要素に過ぎませんが、群集としての森林はまた独自の 特性を有しています。今回のセミナーでは、バクテリアから人類までの生物の進化を概観し、そこに森林を位置づけてみたいと思います。また、私の専門として いる森林の遷移というダイナミ クスと樹木の系統という多様性を関連づけてみたいと思います。よく知られているブナで代表されるブナ科とそれとは対照的なシラカバで知られるカバノキ科は 同じブナ目として共通の祖先から由来し、適応放散したと見なされています。片や、種子や果実を大型化し、ストレスの大きい環境に進出して繁栄し、もう一方 は種子を小型化して山火事や火山噴火後の裸地に進出するというきわめて対照的な生存のストラテジーを取っています。前半は教 科書的な学生向けの一般的な進化のお話で、後半に私の研究を紹介したいと思います。可能であれば、自然淘汰万能論の批判もしてみたいと思います。

第3回

日時
2005年12月22日 16:30 - 17:30
場所
情報科学研究科棟第2講義室(地図の42 番1階)
講師
吉田久美 助教授(生命情報論講座)
演題
青いバラはどうやったらできるのか
要旨
花はなぜ多彩で、その色素はどんな機能を持つのか?私たちは、この古くて実は未解明な現象の解明を目指して研究を行なっています。その行き着く先は実現しない夢の「青いバラ」かもしれません。これまでの研究成果と今後の展望を、最近のデータもまじえてお話しします。
Why and how such a wide varieties of flower colors are? We are studying on the mechanism of flower color development and variation. One of the final goals of the research project may be an establishment of a "Blue Rose". I will present our in progress-results.

第2回

日時
2004年4月26日 16:30 - 17:40
場所
情報科学研究科棟第1講義室(地図の42 番1階)
(懇親会会場:情報科学研究科棟第2講義室)
講師
渡辺宙志(多自由度システム情報論講座助手)
演題
二次元融解現象の非平衡緩和解析
Non-equilibrium Relaxation Analysis on Two-dimensional Melting
要旨
物が凍る、という現象は、もっとも身近な相転移現象であるが、その本質が分かり始めたのはごく最近のことである。特に剛 体円盤系は、融解現象を起こすもっとも簡単な粒子モデルであるが、強い有限サイズ効果など、二次元系特有の問題を持つために、そのメ ニズムは数十年以上にわたっ て明らかにされてこなかった。 我々は二次元剛体円盤系について大規模な数値計算を行い、隣接配向秩序変数の非平衡緩和過程の解析から相転移が Kosterlitz- Thouless型であることを確認した。さらに、粒度分散が相転移に与える影響について調べ、分散による融解相転移が消失するメカニズムについても考察 した。
資料
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第1回  

日時
2003年12月22日 10:30 - 12:30
場所
情報科学研究科棟第1講義室(地図の42 番1階)
(懇親会会場:情報科学研究科棟第2講義室)
講師
戎崎 俊一(理化学研究所情報基盤研究部)
演題
分子動力学専用計算機の開発
Development of Special Purpose Computer for Molecular Dynamics Simulations
要旨
Molecular Dynamics machine (MDM)は分子動力学シミュレーションの専用計算機である。分子動力学シミュレーションにおいては、クーロン力や分子間力 などの非結合力の計算に計算時 間の大部分が費やされる。MDMはこの力の計算を大幅に加速する。講演では、MDMの開発の経緯とそれを使った分子動力学シ ミュレーション結果を紹介する。また、非中性プラズマや境界要素法による電磁波解析など、当初想定していなかった計算に関しても有効であることが分かってきた。それらに関しても紹介する。さらには、専用計算機の開発の将来について議論する。
Molecular Dynamics Machine (MDM) is a special-purpose Computer for Molecular Dynamics simulations, in which almost all the computation time is used in non-bonding force, such as Coulomb and Van dar Waals forces. MDM accelerates those force calculations. In the present talk I will present the history of development and the scientific results with it. I will also present non-neutral plasma and boundary element methods, that are found to be accelerated by MDM after its completion. I will discuss the future of special purpose computers, too.
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